長い長いキスのあと。
同じように息のあがった理都くんが、少し掠れた声で謝ってきた。
「ううんっ……」
それだけ言うので精いっぱいな私の肩を優しく起こして、ソファにもたれさせてくれる。
契約のキスは、想像していたものとはずいぶん違った。
「これで……契約できたの……?」
理都くんとキスしちゃった。
そんな事実が今頃になって現実味を帯びてきて恥ずかしいけど。
「ああ……もうこれで蓮水からも狙われなくなるはず」
それならよかった。
ここは、まるで学校にいるとは思えないくらいの静けさ。
窓から見える景色も、裏庭の緑で一面が覆われている。
その隙間から木漏れ日が少し差し込んで、この部屋の明るさがなんとか保たれていた。
「じゃあ」
腰を上げた理都くん。
あれ……?
「理都くん……吸血は?」



