キスひとつで、そんな恐ろしい結びつきになるなんて、さすがヴァンパイア……。
それから、契約が成立したらその証としてネックレスを渡され、いつも身につけないといけないことも説明された。
どんどん契約が現実味を帯びて、緊張してくる。
「じゃあ、ここに座って」
示されたのは、黒いソファ。つまり、理都くんのとなり。
廃墟感漂うこの部屋で、唯一きれいに保たれているところだ。
「し、失礼します」
緊張で全身の筋肉が固まり、ロボットみたいな動きでそこへ座った。
「俺が自分の舌を少し噛んでからキスする。血の味がすると思うけど我慢して」
「う、うん」
「血の交換って言って、俺の血が入ることによって俺の抗体ができて、他のヴァンパイアに吸血させることができなくなるん
だ」
なるほど。



