……たとえ話なのはわかってるけど。
「そんな血を持つ水野と契約して吸血するって……俺に利用されるとは思わないの?」
「思わないよ!」
特別な血が欲しいから契約しようと言ってきただなんて、理都くんがそんな計算高い人だと思わない。
もちろん、頭がいいから計算もしてるかもしれないけど……それだけじゃないって。
「もしそうだとしても、理都くんになら独り占めされてもいい!!」
「……は? ……それ煽ってんの?」
微かに眉を寄せ、私を見上げる理都くん。
「ええっ!? そ、そんなつもりはっ……」
煽るって!
そんな言い方されたら恥ずかしくて、両手を顔の前でぶんぶん振る。
ただ、契約することになんの抵抗もないよってことを伝えたかっただけなんだけどな。



