「世羅くんから聞いたんだ。タブレットは応急処置であって、その……」


あ、どうしよ。

寿命が短いとは私の口からは言いにくく、口ごもる。

慎重に言葉を選んでいると、理都くんはいとも簡単に言ってのけた。


「早死にするって?」

「……っ!」


そんな……他人事みたいに。


悲しいよ。

理都くんは自分の命を少しも惜しいと思っていなさそうで。

吸血してこそヴァンパイアなのに、それすら放棄してしまってる。


「……そんなの聞いたら……当たり前だよ……」


胸の奥を突き刺すようなこの痛みはなんだろう。

理都くんの命が危険にさらされてると思ったら、まるで自分のことのようにつらいんだ……。


「だから……私のことを他のヴァンパイアから守ってもらう代わりに、私の血を理都くんにあげるっていうのは……どうかな……」