勝手に親しみを抱いていたのは私だけだったのかなって、胸の奥がチクチク痛む。


「話が、あって」


それでも決意は揺るがず、そう告げると。


「……じゃあ、ついてきて」


軽く息を吐いてそう言うと、歩き出した理都くん。

よかった。話、聞いてくれるんだ。

それだけでもほっとしてあとをついていくと、やっぱりこの間の空き教室に入って行った。


今日も薄暗くて湿っぽい。

そんな中、理都くんのシトラスの香りが私を安心させた。


「話って?」


ドアを閉めると、すぐ本題に迫ってきて。

私も決意が揺るがないうちにと、想いを告げた。


「この間の話の続きだけど……理都くんと、契約させてもらえないかな……」


ほんの少し、時が止まったような空気が流れて。

驚いたような表情で、眉をひそめた理都くん。