「きゃあ~~~♡」

「お願いしまぁ~す♡」


目をハートにして盛り上がるみんな。

要先輩は軽くボールを浮かせると、しなやかな腕でそれをはじいた。

緩やかな曲線を描いて運ばれていくボール。

思わず、その軌道を目で追ってしまった。


うわあ……すごい。

まるでバレーボール選手のような抜群のコントロール。

ボールはちゃんと輪の中へ届き、みーちゃんが受けるのが見えた。


「……ありがとうございました」

「どーいたしまして」


スゴ技を見せたのに、なんてことない顔。

気だるそうな雰囲気からのギャップに、まだ心臓は追いついていないけど。


「そ、それじゃあ……」


要先輩と距離を詰める必要もなくなり、このままフェードアウトしようとした私に思わぬ一言。


「俺は諦めてないからね。いつでもまたおいで」


緩やかに笑った要先輩に。

誰が行くもんですか、と心の中で悪態をついて、みんなの元へかけていった。