極上ヴァンパイアは、彼女を溺愛して離さない


「じゃ、そういうことだから」


理都くんはカバンをひったくるようにつかむと、大股で教室を出て行ってしまった。


「は、あっ……」


私はずるずると壁を背につけながら、その場にしゃがみ込んだ。


びっくりしたあ……。

こっそり見てたのに、バレバレだったんだ。

初めての会話にして、因縁をつけられるなんて……っ。

もう理都くんのことを観察するのはやめようと肝に銘じたのでした。



それから数日後。


「見て見てー。この間体育で擦りむいたとこ、跡形もなくキレイになったよ」


友達である百花(ももか)ちゃんのはしゃいだ声に、みんながワッと声をあげた。


「ほんとだー。もう全然わかんないよ!」