契約するには深いキス……っていうのはいったん置いといて。
「理都くん、吸血しない主義なんだよねー」
それは聞いて知ってる。
「でも、タブレットがあるから大丈夫なんだよね?」
理都くんから聞いていたことを確認すると、人差し指を左右に振って顔をしかめる世羅くん。
せっかくの可愛らしい顔の真ん中にシワを寄せて。
「タブレットは万能じゃないんだよ。確かに手軽だし、応急としてはいいと思う。でも、それをメインに使うのは危険でね」
「危険?」
胸がざわつく。
「人間の血はおいしくて新鮮で栄養満点だから、本当に最高なんだよ」
「あはっ、あははは……」
それ、人間の私に言われても生々しすぎて顔が引きつっちゃう。



