「私、世羅くんの卵焼き食べたーい」
「いいよいいよ~」
どの女の子にもニコニコ対応する姿を見て、これじゃあ撮影現場でも大人気なはずだよねと納得。
その隙に窓際の方に目を向けると、まだ作業中の理都くん。
エプロン姿の理都くんが見られるなんて、同じクラスの特権だよね、って女子たちはキャッキャと騒いでた。
意外とよく似合っていて、ここから見ている限りフライパン使いも手慣れたもの。
ハイスペックな彼は、料理だって軽々こなしちゃうのかも。
ヴァンパイアだしね……。
「じーーーーーー」
私の目の前にひょいっと指が現れて、目線の先をたどられた。
「わわわっ……!」
そこにはニヤニヤ顔の世羅くん。
まだ女の子に囲まれてると思って油断してた!
「また理都くん見てたでしょー」
「見てない見てないっ」



