暇な私ですら、お料理しないのに。
そのあとは、席について実食タイム。
お互いの卵焼きを試食して、味も評価することになっているんだ。
「ごめんね。無理して食べなくていいから……」
焦げて失敗した卵焼きを食べさせるのは申し訳なくてそう言ったんだけど。
「全然~、食べるに決まってるじゃん」
嫌な顔をせず、私のお皿から一切れつまむと、そのままパクッと口へ放り込んだ。
息をのんで、世羅くんの反応をうかがう。
「うん、おいしい!」
世羅くんは、親指を立ててグッドポーズを作ってくれた。
その気遣いに涙が出そうになってくるよ。
「僕のも食べてね~」
そして、私のお皿に自分の卵焼きをのせてくれる。
「いただきます」
どれどれ。
見た目最高の卵焼きはどんな味がするのかな?
ワクワクしながら口へ運んで。



