極上ヴァンパイアは、彼女を溺愛して離さない


つつつ……とたどると、別のテーブルで作業している理都くんに行き着く。


「……っ! ち、違うから」


顔の前で大きく手を振ると、


「まだ僕なにも言ってないよん」


にーっと笑う世羅くん。


ううっ。

世羅くんて可愛い顔してイジワルなんだから。

なんとか動揺を隠して、卵焼きを5等分に切り分けた。


「よしっ、できた」


隣のコンロで同じくフライパンを動かしていた世羅くんも完成したみたい。

そこには、黄金色に光るきれいな卵焼き。


「うわ~、世羅くん上手!」


思わず拍手。


「えへへっ」


世羅くんもまんざらじゃなさそう。


「世羅くんお料理したりするの?」

「うん。お菓子作りが趣味なんだー」

「すごいね。感心しちゃう」


モデル活動もして忙しいのに、どこにそんな時間があるんだろう。