謝りつつも,掘り下げようとする真輝。

いつもの事だから,理由なんてないんだと俺は思う。

陽深ちゃんにしてみても,どう説明したらいいか分からないだろう。

そう思った俺を肯定するように,おろおろとする陽深ちゃん。

単純に不思議そうにした真輝の前で,肩を狭めた。

申し訳なさそうに見えて,さっきの真輝の言葉が堪えてるのかもしれないと思う。

どうフォローすれば良いんだろう。

陽深ちゃんが俺を気にしないようになってしまったら,俺は多分真輝を恨まずにはいられない。

きっと,寂しいと思ってしまう。

陽深ちゃんを見つけるのは,もう俺の趣味みたいなものだから。

そう考える俺は,少しだけ間違っていた。



「あの……昨日の,お礼が言いたくて……昨日はちゃんと言えなかったし,憶えてはいないと思うんですけど……2回目でも,あったので……」



恥ずかしそうに照れてしまう陽深ちゃんが,わざわざ声をかけようとしてくれていた。

その事実に,小さな衝撃を受ける。



「それも,迷惑……でしたよね」



目に見えて落ち込む陽深ちゃん。

俺が否定するより前に,真輝が慌てた。



「いやっ,ほんとに悪かったって。そんなことねぇよ。誤解してごめん」




陽深ちゃんは,ほっとしたように



「……いえ」



と真輝に目を向ける。