「それなら、互いに質問しあうのはどうかな?そうすればお互いの気持ちも知ることができるでしょ?」 ゆったりと脳内を侵食する声音。 それは今の衣緒にとって、思考力を奪う依存性のある麻薬と変わりないのである。 「そうだね。分かった。叶氷さんがいいならいいよ。」 コクリと頷く。 その様子に満足したと言わんばかりに見惚れてしまうほど綺麗な微笑を浮かべた。 「それでは、僕から質問を始めようか。」 衣緒はポウッとした表情で叶氷の動く唇を見つめる。