【書籍化】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました

「アシュレイが女のひとに囲まれてる! ビッキー、どうしよう?」

「どうしましょうねぇ……」


 数分しか経っていないのにこんな状況になるとは。
 
 さて、どうしたものか……。


 これで、彼が騎士服を着ていれば『仕事中なので』と断れるのだろう。
 
 だが残念ながら今日は私服。
 

 しかも髪型を変えたことで、美形が超絶美形にランクアップしているのだ。
 
 そりゃ人目を引くのも頷けるわ。
 

 ちなみにアシュレイの髪型は、私と理容師の話し合いの結果、長さは変えず全体的に()いて軽くすることにした。
 
 毛量が多めでもっさりした髪型から、ふんわりウェーブがかった流行ヘアスタイルに。

 近寄りがたい硬派な美形が爽やかな好青年風になったことで、さらに魅力が爆上がりしてしまったらしい。


 前世で培ったプロデュース力を発揮しすぎたわ……。
 

 アシュレイも爵位を得て貴族になったのだから、身分にふさわしい髪型にと思ったのだけれど、少々やり過ぎちゃった。


 ……少々野暮ったくて近寄りがたい外見が、ちょうど良い虫除けになっていたのね。


 なんて考えながら、現在進行形でアシュレイに群がる女性達を眺めた。