オスカーが器用に片眉を上げる。
金の刺繍が施された豪奢な夜会服を身にまとい、茶色の髪を後ろに撫でつけた彼は、王子然としておりそこそこ格好良い……はず。
なのに私の目には、何故かとてつもなく残念に見えた。
愛がないからだろうか。それとも、先程までアシュレイの麗しいお顔を見ていたからだろうか。
とにかく、私はこう思った。
――――絶対に、この人とだけは復縁したくないッ!、と。
「ふむ。どんな誤解があれ、可愛いエリザを傷つけた君たちを、僕は許す気はないよ」
「毅然としたオスカー様、格好いいですわ!」
甘ったるい声を上げたのは、彼の隣に座るエリザだ。今日は宮廷侍女の給仕服ではなく、華やかなピンク色のドレスを着ている。
正装した彼女は可愛らしかった。
気の強そうな私とは正反対の、儚げな容姿とふんわりした雰囲気。
いわゆる、ゆるふわ女子。
こういう小動物みたいな子がオスカーの好みだったのねぇ……と、いつもの癖でやけに冷静に分析してしまった。
「まぁ、いいだろう。ビクトリア。君の弁明を聞いてやろうじゃないか」
「殿下の寛大なお心に感謝致します」
そう言って、父が振り返って私を見た。ギョロリと血走った目が『余計なこと言うんじゃないぞ』と無言で訴えかけてくる。
私は目を伏せ、しおらしい態度で御前へ出た。
――ここが正念場。
私が私らしく生きるために、まずはこの面倒な関係に終止符を打ちましょう。
金の刺繍が施された豪奢な夜会服を身にまとい、茶色の髪を後ろに撫でつけた彼は、王子然としておりそこそこ格好良い……はず。
なのに私の目には、何故かとてつもなく残念に見えた。
愛がないからだろうか。それとも、先程までアシュレイの麗しいお顔を見ていたからだろうか。
とにかく、私はこう思った。
――――絶対に、この人とだけは復縁したくないッ!、と。
「ふむ。どんな誤解があれ、可愛いエリザを傷つけた君たちを、僕は許す気はないよ」
「毅然としたオスカー様、格好いいですわ!」
甘ったるい声を上げたのは、彼の隣に座るエリザだ。今日は宮廷侍女の給仕服ではなく、華やかなピンク色のドレスを着ている。
正装した彼女は可愛らしかった。
気の強そうな私とは正反対の、儚げな容姿とふんわりした雰囲気。
いわゆる、ゆるふわ女子。
こういう小動物みたいな子がオスカーの好みだったのねぇ……と、いつもの癖でやけに冷静に分析してしまった。
「まぁ、いいだろう。ビクトリア。君の弁明を聞いてやろうじゃないか」
「殿下の寛大なお心に感謝致します」
そう言って、父が振り返って私を見た。ギョロリと血走った目が『余計なこと言うんじゃないぞ』と無言で訴えかけてくる。
私は目を伏せ、しおらしい態度で御前へ出た。
――ここが正念場。
私が私らしく生きるために、まずはこの面倒な関係に終止符を打ちましょう。



