【書籍化】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました

 それから私は両親に内緒で着々と準備を整え、ついに戦勝記念パーティ当日を迎えた。

 各地から名だたる貴族や著名人が集結し、王室からは国王陛下と王妃殿下、公務で不在の第一王子のかわりに第二王子のオスカーが出席した。

 式典ではまず、国王陛下による騎士への褒賞授与が行われ、予定通りアシュレイには爵位と領土が与えられた。

 授与式のあと、陛下と妃殿下は公務のため退席。
 
「今宵は存分に楽しんでくれ」というオスカーの言葉を合図に、パーティは半ば無礼講となった。

 隣にいた父が「行くぞ」と私の腕を掴み、オスカーの目の前まで歩み出る。
 
 途端、会場内が静寂に包まれた。

 賑やかに雑談していた貴族たちが一斉に口をつぐみ、こちらを遠巻きに見つめる。
 
 面白がるような視線が全身に突き刺さる。

 まるで見世物小屋の珍獣になった気分だ。
 
 ……あぁ、居たたまれない、胃が痛い。

 
「オスカー殿下におかれましては、ご機嫌麗しゅう存じます」
 
「フェネリー卿。貴殿らには謁見禁止を言い渡したはずだ」

「先日は、娘が大変な無礼を働きましたこと、お詫びのしようもございません。しかし一部誤解がありましたことを、この場でお伝えさせて頂きたく参上いたしました」

「誤解?」