【書籍化】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました

 歓声の中、パレードが一定のスピードで進む。

 例の美形騎士が、ちょうど私の目の前を横切った。
 
 アシュレイ・クラーク。
 最年少22歳で第一騎士団の隊長に抜擢された救国の英雄。
 
 細マッチョ高身長の超絶イケメン。横顔すら麗しい。
 
 容姿端麗で実力もあるエリート騎士となれば、女性にモテますわねぇ――と、私は思わず冷静に分析してしまった。

 はっ……! 駄目だわ。前世を思い出してからというもの、ついつい『アシュレイは髪型を変えたらもっとお洒落になるのに』とか余計なこと考えちゃう。
 
 女優という職業柄、前世の私は他人の仕草や外見を分析したり、セルフブランディングすることに余念がなかったらしい。

 人間観察とプロデュース癖が魂にまですり込まれているんだわ……。
 
 
「ふん、何が英雄だ。所詮は、腕っぷしが強いだけの平民騎士だろう?」

 近くに立っていた男性が、馬鹿にしたように吐き捨てた。身なりからして、そこそこ身分の高い貴族のようだ。

 僕は嫉妬なんてしてませんよ~的な雰囲気を漂わせているが、やっかみなのはバレバレ。