【書籍化】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました

「ですが、旦那様の言いつけを破ったら、ただでは済みませんよ」

「望むところよ。私、前世(むかし)今世(いま)も、『替わりはいくらでも居る』って言葉が一番嫌いなの。それを平気で言ってしまえるお父様とお母様には、愛想が尽きたわ。絶縁、上等よ」

 私は勢いよくベッドから飛び出し「さぁ、やるぞ!」と腕まくりした。

 レイラが口をあんぐり開けた驚きの表情で、こちらを見つめる。

 
「えっと……お嬢様、なんか性格変わりました?」

「かもね」と、私は例の悪女スマイル全開で笑った。

 
 もう親の言いなりになったりしない。
 
 自分自身を押さえつけて、心を殺して生きるような真似はしたくない。

 
 私は両開きの窓を一気に開け放った。
 
 どこまでも果てしなく広がる青空。自由気ままに漂う白い雲。
 広大な空を、鳥が力強く羽ばたき飛んで行く。

 
「私、覚悟を決めたわ」

 
 今度こそ、悔いのない人生を送って幸せになるんだ――!