【書籍化】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました

「たぶん、私以上にアシュレイ様が怒ってくれるから、なんだかもう良いかなぁって思うのかも。事件が公表されなくてむしろ良かったと思ってます」

「どうして?」

「エリザ様のことは許せないけど、再起不能になるまで叩きのめしたい訳じゃないので。それに、私のことも含めて新聞にあれこれ書かれなくてホッとしているんです」

 脅迫文を受け取った時はひどく恐ろしかったし、アシュレイとイアンに心配をかけてしまったのも心苦しい。
 
 だが、エリザは『自由』というかけがえのない物を失った。
 牢屋に入らなくても、罪人にならなくても罰はすでに下っている。

 それに、オスカーに振り回され、嫉妬に狂った彼女には同情の余地もある。せめて自領で穏やかな余生を過ごして欲しいと願わざるを得なかった。

 
「彼女も若いですし、いつか反省して、自領で人生やり直してくれたら良いなぁって」

「前から思っていたんですけど、ビクトリアさんって時々やけに達観してますよね?」