【書籍化】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました

「ジェイク。俺はエリザ・バークレーの処遇について、上層部と王室に協議してくる。悪いが、ここを頼めるか」

「お任せを。喧嘩の仲裁は得意なんで。酔っ払ったゴロツキ相手にするよりマシですよ」

 同感だと苦笑し、アシュレイは取調室を出て幹部室へ向かった。


 結論からいえば、エリザの罪は内々で処理された。

 第二王子の婚約者が脅迫騒動を起こした――なんて醜聞が広まれば、王室の面目は丸つぶれだ。
 
 王室の権威を保つため、表向きエリザは体調不良により婚約辞退。生家に戻り療養すると報道された。
 
 実際のところ、エリザに言い渡されたのは『生涯、自領から出てはいけない』という事実上の追放命令だ。
 
 万が一、理由もなく領地を出たり、王室に不利益な情報を公開したりした場合、バークレー家は王命により即刻お取り潰しになるだろう。
 
 
 分不相応な野望を抱いたエリザ・バークレー。
 彼女は、自分で撒いた悪意の代償として領地に幽閉され、生涯の自由を失った――。