あ、まずい。
これでも一応、相手は王子様なのに、思っていることをはっきり言ってしまった。
不機嫌なオスカーの表情がますます険しくなる。気を取り直すように、彼はコホンとひとつ咳払いをした。
「まあ、いい。エリザの話は置いておいて。とにかく、品位、教養、性格など、全ての面で君の方がエリザより優れていると判断した。それに容姿だって、少し会わないうちに見違えるほど綺麗になったじゃないか」
頭のてっぺんから爪先まで舐めるようにオスカーに見つめられ、あまりの不快感にぞわっと鳥肌が立った。
「僕との結婚を承諾してくれたら、君の家族も救ってあげよう。聞くところによると、大変な状況のようじゃないか」
「私、家族とは縁を切りましたので。それに風の噂で、兄が家督を継ぎ、裕福な商家の令嬢を迎えると聞きました。持参金や婚家からの資金援助もあるでしょうし、安泰でしょう」
「おや、君はまだ知らないのかい? その話には続きがあるんだよ。少し前に、頼みの綱だった商家が赤字倒産した。だから君のご実家は資金援助を受けられず、いまや家計は火の車。こういってはなんだが、没落寸前だ」
「そんな……」
家族は捨てた。……つもりだったが、両親と兄が苦境に立たされていると知り『ざまぁみろ』と笑えるほど、私も鬼ではない。心が揺れ、胸の奥がざわめく。
これでも一応、相手は王子様なのに、思っていることをはっきり言ってしまった。
不機嫌なオスカーの表情がますます険しくなる。気を取り直すように、彼はコホンとひとつ咳払いをした。
「まあ、いい。エリザの話は置いておいて。とにかく、品位、教養、性格など、全ての面で君の方がエリザより優れていると判断した。それに容姿だって、少し会わないうちに見違えるほど綺麗になったじゃないか」
頭のてっぺんから爪先まで舐めるようにオスカーに見つめられ、あまりの不快感にぞわっと鳥肌が立った。
「僕との結婚を承諾してくれたら、君の家族も救ってあげよう。聞くところによると、大変な状況のようじゃないか」
「私、家族とは縁を切りましたので。それに風の噂で、兄が家督を継ぎ、裕福な商家の令嬢を迎えると聞きました。持参金や婚家からの資金援助もあるでしょうし、安泰でしょう」
「おや、君はまだ知らないのかい? その話には続きがあるんだよ。少し前に、頼みの綱だった商家が赤字倒産した。だから君のご実家は資金援助を受けられず、いまや家計は火の車。こういってはなんだが、没落寸前だ」
「そんな……」
家族は捨てた。……つもりだったが、両親と兄が苦境に立たされていると知り『ざまぁみろ』と笑えるほど、私も鬼ではない。心が揺れ、胸の奥がざわめく。



