一躍クラスの人気者になり、照れつつも楽しそうなイアンの姿に、私まで嬉しい気持ちになる。
ふふっ、ほほ笑ましいわぁ――なんて思いながら眺めていると、近衛騎士の制服をまとった別の男性が近付いてきた。
てっきりアシュレイに用があるものだと思い不在を告げようとしたが、騎士のお目当ては私だったらしい。
「失礼。ビクトリア様ですね」
「ええ、そうですが」
「オスカー殿下が貴方とお話したいと仰せです。一緒に来て頂けますか」
口調は丁寧だが、有無を言わせぬ威圧感がある。
王子の命令に逆らえるはずもなく、私は大人しくソファから立ち上がった。
案内された部屋に入ると、満面の笑みを浮かべたオスカーに出迎えられた。
「やぁ、ビクトリア。見違えるほど綺麗になったね。元気にしていたかい」
少し前まで私のことを冷血悪女扱いして婚約破棄までしたくせに、よくも気安く話しかけられるものだ。
込み上げる苛立ちを抑え、私は深々と頭を下げた。
「オスカー殿下におかれましては、ご機嫌麗しゅう存じます」
「そんな堅苦しい挨拶はやめてくれ。僕と君の仲じゃないか」
僕と君の仲? 婚約破棄した側とされた側。仲良くする間柄じゃないと思いますけど?
この人と話していると、心がささくれ立って仕方ない。早く切り上げて退散しよう。
「恐れ入りますが、ご用件をお伺いしても宜しいでしょうか」
「おや、相変わらず冷たいなぁ。では仕方ない。単刀直入に言おう。僕の元に帰っておいで、ビクトリア」
「…………はい?」
なに言ってんの、この人!?
ふふっ、ほほ笑ましいわぁ――なんて思いながら眺めていると、近衛騎士の制服をまとった別の男性が近付いてきた。
てっきりアシュレイに用があるものだと思い不在を告げようとしたが、騎士のお目当ては私だったらしい。
「失礼。ビクトリア様ですね」
「ええ、そうですが」
「オスカー殿下が貴方とお話したいと仰せです。一緒に来て頂けますか」
口調は丁寧だが、有無を言わせぬ威圧感がある。
王子の命令に逆らえるはずもなく、私は大人しくソファから立ち上がった。
案内された部屋に入ると、満面の笑みを浮かべたオスカーに出迎えられた。
「やぁ、ビクトリア。見違えるほど綺麗になったね。元気にしていたかい」
少し前まで私のことを冷血悪女扱いして婚約破棄までしたくせに、よくも気安く話しかけられるものだ。
込み上げる苛立ちを抑え、私は深々と頭を下げた。
「オスカー殿下におかれましては、ご機嫌麗しゅう存じます」
「そんな堅苦しい挨拶はやめてくれ。僕と君の仲じゃないか」
僕と君の仲? 婚約破棄した側とされた側。仲良くする間柄じゃないと思いますけど?
この人と話していると、心がささくれ立って仕方ない。早く切り上げて退散しよう。
「恐れ入りますが、ご用件をお伺いしても宜しいでしょうか」
「おや、相変わらず冷たいなぁ。では仕方ない。単刀直入に言おう。僕の元に帰っておいで、ビクトリア」
「…………はい?」
なに言ってんの、この人!?



