夫人が傲慢に吐き捨てたその時、アシュレイの手元で扇がミシミシと軋み……。
バキリと派手な音を立てて真っ二つに折れた。
無残に砕け散った破片が床にこぼれ落ちる。
「ひぃっ」と婦人が叫び、クラーク卿が恐れおののき、へなへなと座り込んだ。
「家を出て騎士団に入団したときから、俺たちは赤の他人です。――連れて行け」
アシュレイが命じると、影のように背後に控えていた騎士達が一斉に動き出し、瞬きの間にクラーク卿と夫人を取り押さえた。
「何をするの! 汚い手で触らないで頂戴! アシュレイ、これはどういうつもり!?」
「他人の屋敷に押し入り好き勝手した挙げ句、使用人を傷つけようとした暴挙。誰であろうと許されることではありません。弁明したければ詰め所でどうぞ」
「このッ、親不孝者――!」
騎士に拘束されながら、夫人が恐ろしい形相で叫んだ。
「何が『救国の英雄』よ。お前のせいで私は不幸になったのよ。生んだのが間違いだったわ。役立たずの疫病神――!」
あまりにも残酷な母親の言葉を、アシュレイは表情ひとつ変えずに聞いていた。両親を見つめる目は冷ややかで、何の感情も窺えない。
バキリと派手な音を立てて真っ二つに折れた。
無残に砕け散った破片が床にこぼれ落ちる。
「ひぃっ」と婦人が叫び、クラーク卿が恐れおののき、へなへなと座り込んだ。
「家を出て騎士団に入団したときから、俺たちは赤の他人です。――連れて行け」
アシュレイが命じると、影のように背後に控えていた騎士達が一斉に動き出し、瞬きの間にクラーク卿と夫人を取り押さえた。
「何をするの! 汚い手で触らないで頂戴! アシュレイ、これはどういうつもり!?」
「他人の屋敷に押し入り好き勝手した挙げ句、使用人を傷つけようとした暴挙。誰であろうと許されることではありません。弁明したければ詰め所でどうぞ」
「このッ、親不孝者――!」
騎士に拘束されながら、夫人が恐ろしい形相で叫んだ。
「何が『救国の英雄』よ。お前のせいで私は不幸になったのよ。生んだのが間違いだったわ。役立たずの疫病神――!」
あまりにも残酷な母親の言葉を、アシュレイは表情ひとつ変えずに聞いていた。両親を見つめる目は冷ややかで、何の感情も窺えない。



