目の前で繰り広げられる醜い争いに内心呆れていると、夫人がヒステリックな声を上げて立ち上がった。
「もう、うんざりよ! あなたと話していても埒があかないわ。そこの……あぁ……ビクテリアさん? アシュレイが引きとった子どもはどこかしら。会いたいのだけれど」
ビクテリアって何ですか。バクテリアじゃないんだから、というツッコミが頭の片隅をよぎったが、さすがに口に出来る雰囲気じゃなかった。
この人達、まさか力尽くでイアンを孤児院へ連れて行くつもり……?
なんて身勝手なのかしら。
アシュレイが帰ってくるまで、イアンを守り抜かなきゃ。
私は立ち上がると、部屋から出て行こうとする二人の前に立ち塞がった。
「イアン様にどのような御用向きでしょうか」
「あなたには関係のないことよ。いいから、さっさと案内なさい」
「私は、アシュレイ様からイアン様を守るよう仰せつかっております。ご用件を伺うことなく、案内するわけには参りません」
夫人が器用に片眉を跳ね上げ、神経質そうな目を細める。アシュレイの母親なだけあって、彼女はすこぶる美人だった。
美形の迫力とすさまじい目力にたじろぎそうになるのを、私はぐっと堪える。
「もう、うんざりよ! あなたと話していても埒があかないわ。そこの……あぁ……ビクテリアさん? アシュレイが引きとった子どもはどこかしら。会いたいのだけれど」
ビクテリアって何ですか。バクテリアじゃないんだから、というツッコミが頭の片隅をよぎったが、さすがに口に出来る雰囲気じゃなかった。
この人達、まさか力尽くでイアンを孤児院へ連れて行くつもり……?
なんて身勝手なのかしら。
アシュレイが帰ってくるまで、イアンを守り抜かなきゃ。
私は立ち上がると、部屋から出て行こうとする二人の前に立ち塞がった。
「イアン様にどのような御用向きでしょうか」
「あなたには関係のないことよ。いいから、さっさと案内なさい」
「私は、アシュレイ様からイアン様を守るよう仰せつかっております。ご用件を伺うことなく、案内するわけには参りません」
夫人が器用に片眉を跳ね上げ、神経質そうな目を細める。アシュレイの母親なだけあって、彼女はすこぶる美人だった。
美形の迫力とすさまじい目力にたじろぎそうになるのを、私はぐっと堪える。



