あまりにも身勝手で一方的な言い草に、私は思わず言葉を失った。その間、夫人は甲高い声でぺらぺらと聞いてもいないことを喋り続けている。
「アシュレイには、あちこちから良い縁談が来ているのに子連れじゃあねぇ。色々と不都合があるわけよ。あなたも女なら分かるでしょ。子持ち男なんて面倒以外の何者でもないわ」
「縁談だって?」
夫人の話に口を挟んだのは、私ではなくアシュレイの父親だった。
「勝手なことを言うな。アシュレイは我がクラーク家の長男だ。将来はうちの事業を継いでもらう」
「勝手なのはあなたの方でしょう! 妻を疑った挙句に、アシュレイを息子だと認めなかったくせに。あの子が裕福になった途端、借金の肩代わりのために家督を譲るわけ? ハッ、図々しいったらないわ」
「図々しいのは、お前も同じだろう? フン、俺は知っているぞ。お前、上手いこと伯爵の後添えになったが、子に恵まれなかったそうじゃないか」
父親が腕組みをして、夫人を小馬鹿にするように鼻を鳴らす。
「先妻の息子が後を継いだら、伯爵家には居づらくなるよなぁ? だから、どこかの貴族令嬢とアシュレイを結婚させて、息子夫婦の家に転がり込むつもりか?」
「それ、は……」
「自分の欲目のために捨てた息子を利用しようとは、とんだ最低な母親だな」
「うるさいわよ! こっちだってね、あなたみたいな最低な父親にだけは言われたくないわ!」
両者一歩も譲らず、罵り合戦をくり広げる。
「ビフ、トリエさん? ……でしたっけ? わたくしたちのどちらが悪いと思いますこと!?」
と聞かれたが、私から見ればどちらも同レベルだった。
あと、いい加減、名前覚えてくれないかしら……。
「アシュレイには、あちこちから良い縁談が来ているのに子連れじゃあねぇ。色々と不都合があるわけよ。あなたも女なら分かるでしょ。子持ち男なんて面倒以外の何者でもないわ」
「縁談だって?」
夫人の話に口を挟んだのは、私ではなくアシュレイの父親だった。
「勝手なことを言うな。アシュレイは我がクラーク家の長男だ。将来はうちの事業を継いでもらう」
「勝手なのはあなたの方でしょう! 妻を疑った挙句に、アシュレイを息子だと認めなかったくせに。あの子が裕福になった途端、借金の肩代わりのために家督を譲るわけ? ハッ、図々しいったらないわ」
「図々しいのは、お前も同じだろう? フン、俺は知っているぞ。お前、上手いこと伯爵の後添えになったが、子に恵まれなかったそうじゃないか」
父親が腕組みをして、夫人を小馬鹿にするように鼻を鳴らす。
「先妻の息子が後を継いだら、伯爵家には居づらくなるよなぁ? だから、どこかの貴族令嬢とアシュレイを結婚させて、息子夫婦の家に転がり込むつもりか?」
「それ、は……」
「自分の欲目のために捨てた息子を利用しようとは、とんだ最低な母親だな」
「うるさいわよ! こっちだってね、あなたみたいな最低な父親にだけは言われたくないわ!」
両者一歩も譲らず、罵り合戦をくり広げる。
「ビフ、トリエさん? ……でしたっけ? わたくしたちのどちらが悪いと思いますこと!?」
と聞かれたが、私から見ればどちらも同レベルだった。
あと、いい加減、名前覚えてくれないかしら……。



