【書籍化】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました

 駆け込んだ魔道具屋はオシャレなお店だった。
 
 魔道具が所狭しとならぶ陳列棚の横には、雑貨やアクセサリーなどのコーナーも併設されている。
 
「いらっしゃいませ! クラーク様。頼まれていた子供用の防犯魔道具、出来上がっていますよ」
 
 店主が親しげに声をかけてくる。アシュレイはここの常連客のようだ。注文していた魔道具を受け取る間、私とイアンは店内を見て回ることにした。

 
「イアン様、魔道具には手を触れないで下さいね」

「ラジャー! 僕、さわらないよ」

「良い子ですね」

「えへへ」

 走り出さないようしっかり手を繋ぎ、店内を眺めて回る。
 
 私は、学習用魔道具のコーナーで足を止めた。

 イアンがいつでも授業の復習を行えるように、授業の音声を記録しておける録音魔道具が欲しいのだけれど……。

 
「あった、これだ」

 小箱型にペン型、ぬいぐるみ型など録音機能を搭載した魔道具がずらりと並ぶ。

 試しに『お値打ち価格』と札の貼ってある、クマのぬいぐるみに手を伸ばす。
 
 どれどれ……と値札を見た瞬間、私はそれを丁寧に棚に戻した。


 高い、高すぎる。
 万が一、壊したら……私の給料があっという間にふっとぶわ。


「イアン様、ここはやめて、あっちに行きましょうか」

「うん?」