8月に入り、サラが日本での出向を終え、アメリカに帰る日がやって来た。

心は仕事の休みをもらい、空港まで見送りに行く。
昴も仕事を抜け出し、空港に来ていた。

搭乗手続きを終えたサラは、二人に向き合う。

「Well, thank you for everything. Coco, Subaru…」

口を開いたものの、そのあとは言葉にならない。

心はサラを抱きしめた。

「I never forget you, Sarah」

サラは涙をこぼしながら頷く。

「Take care and keep in touch. OK?」

Yesとサラは何度も頷き、心の背中をギュッと抱きしめる。

心も堪えきれず、涙をこぼしながらサラとただひたすら頷き合う。

そしてゆっくり身体を離し、二人で照れたように笑い合った。

「またね、Sarah」
「マタネ、Coco and Subaru」
「ああ、また会おう。Sarah」

最後は輝くような笑顔で、サラは心と昴に大きく手を振って去って行った。