真夏に咲いた奇跡の恋花火

慌ててフォローするも、逆に追い詰める結果に。


あぁもう何やってるんだ私は。
心配を取り除くどころか、罪悪感を植えつけてどうするの。

たとえ夢でも、自分が加害者だって言われたら誰だっていい気分はしないのに。



「他には誰がいた? 千葉? 乃木? まさか、仁田さんと山谷さん⁉」

「え、ええっと……」



再度謝ろうとしたけれど、ガシッと両肩を掴まれてしまった。

よっぽど許せなかったのか、瞳が燃えていて完全に血眼状態。


どうしよう、何て答えたらいいんだ。

千葉さん達の名前が出たけど、夢に出てきたのは男子だけだったから女子は関係ないんだよね。

でも、そのまま伝えたら乃木くんに飛び火が移りそうだし……。



「おーい、そこのおふたりさーん」



渡り廊下のど真ん中で考えていると、野太い声が響き渡った。

急いで彼と距離を取り、近寄ってくる人物に体を向ける。



「都丸先生! お疲れ様です! どうしたんですかー?」

「ちょっと忘れ物しちゃってな。教室に取りに行ってたんだよ」