真夏に咲いた奇跡の恋花火

「もしかして、千葉達と何かあった?」

「ええっ⁉ いや、ないよ?」

「本当? こないだの買い物で連れ回されたとか、詮索されたとか、ない?」

「大丈夫。むしろ、楽しかった、から……」



たどたどしく口を動かす自分の姿が彼の瞳に映り、パッと視線を逸らした。


うぅっ、私のバカ。いくら気まずいからって、こんなあからさまに逸らしたら感じ悪いじゃない。

手島くんは心配してくれているだけ。

興味本位で聞き出しているわけじゃないってわかってるのに……。



「実は……夢を、見ちゃって」

「夢? 夜に見るやつの?」

「うん」



消したかった。忘れたかった。それでも強く残ってしまった記憶。

本当は嫌だが、これ以上余計な心配をかけるわけにもいかないので、意を決して話すことに。



「……仲間外れに、される夢で」

「えええっ⁉ 皆吉さんを? 除け者に⁉」



案の定、目を丸くした手島くん。

口に出した途端、ここ数日間の夢が脳内になだれ込んできた。