真夏に咲いた奇跡の恋花火

「うわぁ! ビックリしたぁ」

「ちょっと! 終わったんなら声かけてよ!」

「ごめんごめん。だってるみが面白そうな話始めたからさ♪」

「そうそう。邪魔したら悪いなと思って待ってた♪」



ソファーの背もたれに肘をつく電車組。

謝られたものの、語尾に音符が付くくらいご機嫌口調で、悪びれた様子が一切ない。

むしろ……。



「いやぁ、まさかるみがあんなキュートな顔するとは。キュンキュンしちゃったよ〜♡」

「笑万、もし良かったら続き聞かせて?」



にやついた口元、キラキラな瞳。
嫌な予感がしたが、時すでに遅し。

解散するまでの数時間、怒涛の質問攻撃を受けたのだった。







空腹が目立ってきた夕方5時過ぎ。

バスで帰宅しながら、グループチャットに送られてきた写真を眺める。


高校生になって初の友達と、憧れのマドンナとの外出。

最初は緊張したけれど、フレンドリーに接してくれたおかげで、一気に不安が吹き飛んでいった。