真夏に咲いた奇跡の恋花火

「……ん? 毎年ってことは、好きな人がいるの?」



情報を整理していたらふと気づき、尋ねてみた。



「えっ、と、それは……」



言葉を詰まらせて動揺し始めた千葉さん。


泳ぐ目、赤くなっていく顔。

わかりやすすぎる……。どうりでテンションが高かったわけだ。



「……いるよ」

「へぇ〜。どんな人? 何歳?」

「15。同い年なの」

「そうなんだ。同級生とか?」

「……うん」



先ほどとは打って変わった静かな返事。まるで借りてきた猫のよう。

クールビューティな千葉さんも、こんな乙女チックな顔するんだ……。



「あぁー! これ以上はダメ! ギブ! 皆吉さんは?」

「えっ、私?」



尋ね返されて目をパチクリさせる。



「……一応。気になってる人はいるかな」

「おおっ。同い年?」

「うん。私も同級生なんだ」