真夏に咲いた奇跡の恋花火

昔からイベントが大好きで、学校行事は毎年張り切っているとか。

頼られるのが好きな反面、褒め言葉やお礼にはめっぽう弱く、面と向かって言われるとデレデレしちゃうとか。


数日前までは別世界の人だと思っていた。

けど今日、年相応な一面を見ることができて、ほんの少しだけ、距離が縮まったような気がした。

また機会があったら、今度は山谷さんも交えて話せたらいいな。


願望を抱いていると、千葉さんのスマホがブーッブーッと振動した。



「皆吉さん! 見て見て! お祭りの情報、更新されたって!」



興奮気味に肩を叩かれ、画面を覗く。


手島くんとのトーク画面に表示されている、1枚の画像とメッセージ。

読んでみたら、今年は例年より多く花火が打ち上げられる、と。



「5000発も上がるんだ。40回目だから豪華にしたのかな」

「かもね! 今年はカップルがたくさん生まれそう」

「カップル?」

「うん! 数が増える分、恋花火が上がるのも増えそうじゃない?」

「恋、花火……?」