書き終えたところで、クラスメイトの手島(てしま)くんが乱入してきた。



「山谷さん、そんな簡単に好きって言っちゃダメだよ? こいつお腹真っ黒だから。何するかわかんないよ?」

「ちょっと、誰が腹黒悪魔だって?」



ガタンと席を立った千葉さんが手島くんを睨みつける。



「私の友達に変なこと吹き込まないでよ」

「いやいや事実だから。黙ってれば美人って冗談でも友達に言う言葉じゃねーだろ。あと食べ物で釣ってたし」

「釣ってません。誕生日プレゼントです」

「屋台のおやつが誕プレかぁ……」



手島くんは、黄色のシャツとポンパドールヘアが特徴のクラスのムードメーカー。

一見チャラそうだけど、人柄が良く、私のような地味めの人間にも毎日挨拶してくれる。

社交的な上に顔も整っているため、他のクラスの人とも交流があるんだとか。



「2人ともやめてよぉ。手島くん、るみは悪魔じゃなくて女神なんだからねっ」

「ごめん山谷さん……! ったく、天使にフォローさせるなんて……」