「うーん、大工さんですかね。情熱的な職人ってかんじがします」

「職人⁉ 嬉しいなぁ」



気分を良くした先生が再び豪快に笑う。


実は都丸先生、うちの店の常連さん。父いわく10年以上の付き合いなんだとか。

小さい頃からの顔見知りというのもあって、バッタリ会った時はこんなふうに立ち話してるんだ。



「にしても暑いねぇ。そっちはしっかり守られてて羨ましいよ」

「いや、そうでもないですよ。確かに頭皮は守られてますけど、通気性がないので……」



汗が背中を伝うのを感じ、苦笑いで返した。


今日の天気は快晴。予想最高気温は34度らしい。

他の先生達は帽子を被ったりアームカバーを付けているが、私の場合、防備しているのは頭だけで手足はむき出し。


日焼け止め塗ってきたけど、もう落ちてるだろうな。腕にじんわり汗が浮かんでるもん。



「じゃあまた2時間目に!」

「はい。お先に失礼します」



生徒が増えてきたため、速歩きでその場を後にした。

駐輪場に自転車を停めてヘルメットを脱ぐ。