真夏に咲いた奇跡の恋花火

一足先に去ろうとしたのだが、通学路が同じなため、途中まで一緒に帰ることに。



「皆吉さんの家って大家族なの?」

「えっ?」



校門を出てすぐ、飛んできた質問に素っ頓狂な声を上げた。



「お家のお手伝いしてるって言ってたから、家族が多いのかなと思って」



あぁ、なるほど。
家の手伝いといったら、家事とか兄弟のお世話とかが思い浮かぶもんな。



「おじいちゃんおばあちゃんと一緒に住んでるの?」

「ううん。同居はしてないけど、しょっちゅう会ってるよ。……店の手伝いで」



打ち明けようか一瞬ためらったが、言える範囲内で話すことにした。



「私の家、飲食店やってて。だけど、今お兄ちゃんが留学中で人手が足りないから手伝ってるの」

「そうだったんだ。偉いね〜。何のお店なの?」

「普通の定食屋。毎年この時期はお客さんが多いから忙しいんだよね」

「夏休みに入るもんなー。お兄さんってどんな人? 皆吉さんと似てる?」

「少し。性格は優しくて面倒見がいいかな。昔はよく勉強教えてくれてたから」