こんなところまで「孤高の悪女」っぷりを発揮してしまったけれど、自分でも驚きだわ。

 だけど、ひとこと言わせて。

 たかだか花の話をそんなに大げさにしないでよ、と。

 しかし、ヴァレンシュタイン公爵にとっては、家名をかけてのことらしい。金銭的なことに加え、その花を政治的に利用しようとしていたとか。

「奇蹟の花」は、ヴァレンシュタイン公爵家にさらなる栄華をもたらせたかもしれないらしい。

 そしてこの後、わたしたちは「奇蹟の花」が三か月を持たずして死んだことをきかされた。

 カサンドラの宝石盗難事件でっちあげの騒ぎのとき、まさに瀕死状態だったという。

 ヴァレンシュタイン公爵家の執事が「お嬢様のことなんてどうでもいい」と言いにきたのは、まさしく「奇蹟の花」の一大事だったというわけ。

 そのことを翌日のランチタイムにきかされ、さらに驚いたのはいうまでもない。