バレないように堪えていた声も、いつの間にか出ていた。 ―――― どれくらいの時間が経ったのだろう。あたりは薄暗くあの二人もいない。 あぁ、帰らきゃ……。 フワフワとした感覚だけが残っている。今自分が何をしているのか分からない。 悲しみの中、虚ろな目をしながら家へと向かっていた。だから周りなんて気にしてなかった。