「うちのに手を出すなよ」

「前も独占欲強かったけど、もしかして君たち付き合ってるの?」

「へ……?」

「花ヶ崎って恋愛はご法度なんじゃなかったっけ?」


な、なんでそっち方向にいったの?


昴が言ったのはあくまでも『うちのグループ』って意味なのに!


的外れにも程がある!


……って、あれ。


早く誤解を解かなきゃいけないのに、声が出ない。


昴も無言で私を見下ろすだけ。


私はなんで"誤解だよ"って言いたくないんだろう……?


昴もどうしてなにも言わないんだろう……?


このモヤッと胸に溜まってるもどかしさはなに?


「まぁ、実際がどうであれ、俺が黒って言ったら白も黒になるんだけどさ〜」


深く考えようとしたとき、凌くんがさらりと恐ろしいことを言った。


さすが秀麗学園の柱。トップ。


絶対に連絡先の交換なんてしてあげない!


「桃ちゃんが俺と連絡先を交換するならやめてあげてもいいよ。あ、そっちのリーダーが欠場するってのも面白いかも」