身体の管理はアイドルの大事な仕事の一つだって、何度も何度も言ってるのに!


桃のマネージャーである私が、怒らないわけがない。


それに、全治1ヶ月ってことは。


花秀(かしゅう)定期戦に間に合わない……」

「そーなんだよねー」

「なんでそんなにのんきなの!?」


花秀定期戦は何年も前から行われてる、大事な学園行事。


私たちが通う花ヶ崎学園と2駅隣にある秀麗学園の、定期的に行われている歌合戦だ。


一般の人と音楽関係者の投票によって、勝ち負けが決まる。


開催されるのは2週間後……つまり、桃の復帰が間に合わない。


桃の所属するSpark(スパーク)は歌、ダンス共に完成度が高く、人気のあるグループ。


桃は定期戦における主要戦力の一人ということで。


……学園長になんて謝ったらいいんだろう。


頭を抱える私に、桃はにこりと微笑みかけて。


「ということで、臨時アイドルよろしく!」

「……は?」


とびきりの爆弾を落とした。