……本当に?


ここは普通の森じゃない。

僕の周りにあるのも、普通の草木じゃない可能性だって……。


ぞっとする考えに気付いて、僕は涙が滲む目を瞑りながら、ただ足を動かした。



どうしてこんなことになったんだ。

それは分かってる。


クラスメイトにはやし立てられて、売り言葉に買い言葉で度胸試しを受け入れてしまった。

学校でも、行方不明者が続出しているから近付いてはいけない場所と教えられていた、あの人食いの森に行くと。



今頃、(だい)くん達は家に帰ってるんだろう。

だって聞いてしまった、森の中に僕を置いて行こうと話しているのを。


それでもやってやると、僕は無謀な決断をした。

本当に、本当にやめておけばよかったのに。