ルゥは温かい眼差しで私を見ると、体を反転させて森の奥へ向かう。

私も、いつも通りルゥに付いて行った。



この森は、私達の秘密の場所。

ルゥがどこから来たのかは分からないし、近所の大人達もここにオオカミが棲み着いていることは知らないらしい。


それって、天国だ。




「私、ルゥといっしょにいる時間が一番幸せ。ルゥも、そう思ってくれてるかな?」




獣道を抜けた先の、ルゥの住処。

少し湿った土の上に座り込んで、私はルゥに笑いかけた。


種族を超えて、心を通わせる。

そこに、容姿は関係ない。


ルゥは“私”を見てくれる。

そして私も、“ルゥ”を見ている。


これが本当の友情じゃないなら、友達なんていらない。