日付が近い順から遡って、最後の1枚。

やはり、忘れてしまったか……と思いながら顔写真を見た時。

人形と見紛うほど整った顔立ちをした幼い少女に、古い記憶が重なった。




赤羽(あかばね)璃帆(りほ)……」




調書には、僕が知ることのできなかった彼女の情報が書かれていた。


“○×小学校6年4組。

交友関係は狭く、特定の友人はいなかった模様。

狼と友達であると話していたことが周囲への聞き込みによって発覚。

人食いの森によく通っていた”




「オオカミ……か」




あんな森に、そんな生き物がいるはずがない。

僕は息を吐いて、書類を纏め直した。


今日はあの森に、何度目かの捜索隊が入る日だ。




[終]