それから放課後。千咲ちゃんと一緒に帰ることになった。


「香花ちゃんは、どっちの方向? 地区はどこ?」

「地区? こっちに来たばかりで地区までは分からないんだけど……花凛小学校が近いかな」

「へぇ〜! そうなんだ。けっこう遠いよね? 私は歩きでも学校いける距離だよ」


 千咲ちゃんはそう言って指差した。指を指した方を見ると、横断歩道の先にある青の屋根があるお家があった。


「近いのいいなぁ」

「でしょう? この学校を受験したのも近かったからなんだよね!」


 そうなんだ。確かにそれはたいじだよね。だって、私の家まで一時間かかっちゃうもん。