そう挨拶を香元の國宗先生がすると、私たちに出す前に聞いて出した。この先はこの前練習したとおりにやるだけだ。 だけど、練習したときとは違って緊張して上手く香炉が回せない。ドキドキするだけしてまともにお香を聞くことができなかった。 上手くできてもできなくても続いて“雲”の香炉が回ってきて再び同じように聞いていく。 「本香炊き始めます」 その声でまた香炉が回ってきて、全てが終わると答え合わせをする。最高得点者には執筆係が書いた記録紙を渡された。