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それから数日後の日曜日。
私は初めて失恋をしたことがショックで何も手がつけられない……ってことはなくて。いつも通り、それからも過ごして今日は佐山くんの家でお稽古だ。
「こんにちわ」
「あぁ、星野さんね。煌太さんがお待ちですよ」
佐山くんの家に行くと、お手伝いさんの方に案内されて稽古室へと向かった。
「こんにちわ」
「あ、星野さん。いらっしゃい早かったね」
「早くきちゃってごめんなさい」
「違うくて、別に責めてるんじゃないんだけど……ただ純粋に早いなって思っただけ。高田先輩もまだだし。気合い十分だなぁって」
佐山くんと先輩を待つ間、お手伝いさんがお茶を出してくれてお茶を飲みながら待つことになった。



