「あ、ありがとう……星野さん」 「でも、どうして髪切ったの?」 「それは、もうすぐ“大事”な“香席”があるから切ってみようかなって思ったんだ。高田先輩にいい美容院教えてもらって」 あぁ、だから昨日は二人で用事だったのかな…… 「似合ってるよ、佐山くん」 「星野さんに言われると、うれしいなぁ……ありがと」 そんな会話をしていると「え、佐山!?」と声が上がった。主に佐山くんのことを少しだけ避けていた子たちだ。