「初めまして、星野さん。俺、佐山煌太っていうの。席替えまでよろしくね」
「あっ、はい。よろしくお願いします」
佐山くんは黒髪で眼鏡をかけた男の子だ。真面目そうな子だなぁっていうのが私の第一印象だった。
午前の授業が終わると、お昼休みの時間になる。この学校は給食はなくて、食堂で食べることになっているから誰かと行きたいと気合いを入れたけど、もうグループが出来上がっていて声をかけられる雰囲気じゃなかった。
佐山くんに声をかけようとしたけどいつの間にかいなくて結局、一人で昼休みを過ごすことになってしまった。
転校初日の今日は、佐山くんに自己紹介をしただけで終わってしまった。