柔らかく優しい桜色の和風モダンな碗や深緑色の織部(おりべ)流しで出来ており赤い椿が描かれているお椀と美濃焼きの淡い青色の腕が並んでいた。 「選んでいいの?」 「もちろん。今日の主役は星野さんだから」 「ありがとう……じゃあ、この桜色の腕にしたいです」 私がお椀を持つと佐山くんがそれを受け取った。彼はこれまた慣れた手つきだ。