「香道をするより、そっちの方が大変ですね」

「その通りですね。あははは」


 お母さんは「ふふ」と笑って、私に本気でやりたいならやってもいいって言ってくれた。


「ありがとう、お母さん。……佐山くん、高田先輩、佐山くんのお父様。これからよろしくお願いします」

「うん、よろしくね」

「星野さん。香道の世界にようこそ」



 佐山くんはそう言って笑った。
 私、星野香花は香道部に入部することに決めた。