「……星野さん?」
「あっ、あのね。私、香道部に入りたいって思っていてお母さんに相談したの」
「えっ、ありがとう。先輩も喜ぶよ」
「だけど、お香を焚くって言ったら危ないんじゃないかって言われてしまって。一度、その香道をしているのを見学したいって」
「そうか、ぜひと言いたいところんなだけど……あっ、そうだ。今週の日曜日空いてる?」
今週の日曜日? 日曜日は確か用事はないはずだけど。
「日曜日に部活あるって言ったでしょ。それ、俺の家で活動するのだけど……その時に、香席をするから一緒にどうかな」
「こうせき……」
「あ、香席というのは茶道で言えば茶席と同じような席のことですよ。でも、父に聞いてみるので待っていていただいてもよろしいですか?」
「え、はい。もちろんです」
次の日になり、学校に行くと佐山くんから日曜日にお母さんと一緒においでと言われ一枚のチラシをもらった。